皆さん、映画の原点はご存知でしょうか?
映画の始まりを探ると、1895年12月28日「映画誕生の日」まで遡ります。
今回はそんな世界で初めて公開された映画「工場の出口」や、いくつかの都市伝説を残す「ラ・シオタ駅への到着」、さらに映画の原点をザックリ解説していきたいと思います。
目次
キネトスコープと映画の歴史
映画の歴史を辿ると1893年、あのトーマスエジソンが開発した「キネトスコープ」まで遡ります。
これは箱の中を覗き込むことにより、その中で動いている映像を楽しめるというもの。
この時点ではまだ映画と呼べる物ではなく、完全に1人様の個人が楽しむ物でした。
リュミエール兄弟がキネトスコープを発明
そして後にリュミエール兄弟と呼ばれる人物達がこのキネトスコープを「シネマトグラフ」と呼ばれる物に改良します
このキネトスコープというのは具体的に何が出来るのかというと、、、
・スクリーンに映像を直接移し出せる
・大多数の人が一斉に映像を楽しめる
・シネマトグラフのように窮屈な姿勢になることがない。
など、今日まで続く映画の基盤を作り上げたといっても過言ではありません。
この偉大な開発によりリュミエール兄弟達は後に「映画の父」とも呼ばれます。
世界で初めて公開された12本の映画
そして後の1895年12月28日、パリのカフェ「グラン・レストラン」にてリュミエール兄弟達が制作した映画12本が有料公開されました。
その作品を一旦まとめますと、、
・工場の出口
・赤ちゃんの食事
・金魚釣り
・ラ・シオタ駅への到着
・堀の取りこわし
・調教場の兵士たち
・トランプ遊びをするリュミエール兄弟と軽業師トレウィー
・リヨンのレピュブリック通り
・荒天の海で
・水をかけられた撤水夫
・雑草の一掃※最後の一作不明
引用:「映画 映画が時代を語るとき 100年」
初期の映画なので、どの作品も約数十秒〜数分の短い物です。
「おもしろい」映画と「つまらない」映画の見分け方 /キネマ旬報社/沼田やすひろ
工場の出口
こちらが世界初の映画とも言われている「工場の出口」です。
リュミエール兄弟が所有する工場から作業員達が一斉に出てくるシンプルな内容となっており、時間は約50秒間です。
今ならスマホで十分に取れる映像ですが、当時の人からしたら半端ない衝撃だったのでしょうね。
今までの芸術は絵画や写真など、動きのない物が主流でしたが、リュミエール兄弟が開発したこの「シネマトグラフ」によりエンターテイメントの幅が一気に広がりました。
ラ・シオタ駅への到着
工場の出口と並び、もう一つ映画界に名を残した作品が「ラ・シオタ駅への到着」。
こちらはフランスのラ・シオタ町へと列車が到着する内容ですが、当時の人々はこの迫りくる列車に驚き、恐怖を感じ悲鳴を上げながら部屋の隅まで逃げ去ったとの逸話が残っています。
ともあれ1895年12月28日、この日を持って「映画誕生の日」といわれ、今日まで語り継がれる伝説の日となりました。
しかし、このラ・シオタ駅への到着は少しばかり謎と都市伝説じみた話が見つかりましたので、そちらもご紹介したいと思います。
ラ・シオタ駅への到着は公開ていなかった?
実はこのラ・シオタ駅への到着は先ほどご紹介した「工場の出口」と共に映画誕生の日(1895年の12月28日)に公開されていなかったのでは?といった疑惑があります。
一説ではその日公開された映画のリストの中に、このラ・シオタ駅への到着は含まれていなかったとの話もある様です。
というのも130年前の出来事なので、メディアによって情報が乱雑しているみたいで、どれが本当の情報なのか断定できない状態でした。
これにあたり、文献の方でも調べてみたのですが、そちらも若干情報が乱雑しており、こちらでも「ラ・シオタ駅への到着」が公開された確かな年代を確認できませんでした。
1896年に公開されたとの情報もあれば、97年に公開されたと書かれている文献もありますが、おそらく「1895年の12月28の映画誕生の日」に公開された説が1番有力なようです。
あくまでもそれらを読み比べた個人の考察ですが。
映画誕生の日・まとめ
以上が映画誕生の原点に関するご紹介でした。
映画に関するジンクスや都市伝説的な話はまだまだ沢山あるのですが、それはまたいずれご紹介したいと思います。
ちなみにこの記事の内容はYouTubeでも公開されていますので、そちらもどうぞ!
一応今回読んだ中でおすすめの本も載せておきます。
映画史を学ぶクリティカル・ワ-ズ 新装増補版/フィルムア-ト社/村山匡一郎
これが一冊あれば映画の歴史が大体わかるので、興味のある方は是非一度読んでみてはいかがでしょうか!
またこのサイトでは他にも様々な都市伝説をご紹介していますので、そちらも是非読んでみて下さい。
今回はそんな感じで
では!